AIがプロダクトマネジメントを効率化する「TARA.AI」

プロダクトマネジメントが重要な理由

ビジネスを成長させるためには、プロダクトマネジメントは重要な要素のひとつだ。テクノロジーの変化によって、プロダクトに求められるニーズも変化する。プロダクトの提供価値を機敏にチューニングすることができなければ、顧客のリテンション率も低下してしまうだろう。そのため近年、プロダクトマネジメントの価値は高まっている。

プロダクトマネジメントは、プロダクトの成功を目標設定し、限られたリソースの中で組織を横断したプロダクトの改善を担う。特にプロダクトライフサイクルの移り変わりの早いテクノロジー業界では、顧客の期待に応え続けるプロダクトを作ることができるかどうかが、ロイヤルティやリテンション率、売上に直結する。
加えてマッキンゼーによると、大規模案件のうち45%が予算を超過しており、1年費やすごとにコストは15%増加するという。そのためプロダクトマネジメントの注目は高く、ウォールストリートジャーナルによると、近年のハーバードビジネススクールの卒業生の7%はプロダクトマネジメントに従事しているという。

具体的には、以下のような要素で構成されていると考えられている。

戦略

プロダクトの失敗を避けるためには、解決策よりも課題に焦点を合わせることが重要だ。思い込みを持つことなく、市場・競合他社・顧客について深い理解をした上で、顧客のニーズを満たすための改善策を立案することが求められる。また、重要度に応じて機能開発に優先順位をつけて、開発ロードマップを構築する。

リソース管理

開発に優先順位をつけたら、それを実装するためのリソースを調達・管理する必要がある。開発に必要なスキルを定義して、社内のエンジニアだけでなく、社外の開発パートナーや営業・マーケティング部門と調整することもあるだろう。

開発の推進

リソースを調達したら、次は実際に開発を推し進める役割が求められる。限られた時間・予算の中で、的確にマイルストーンを置きながら、アウトプットを出さなければならない。そのためには、各担当者との密接なコミュニケーションプロセスを整備することや、開発進捗を管理するツールの導入・運用が必要になる。

AIがプロダクトマネジメントを効率化する「Tara.AI」

そんなプロダクトマネジメントに関わる業務を効率化するため、シリコンバレーで生まれたプロダクトが「Tara.AI」だ。TARA.AIは、Apple・Google・McKinsey等の出身者によって開発されており、機械学習を用いて、開発のスコープやリソース・スケジュールなどの管理を最適化することができることが魅力だ。

サービスの特徴としては以下のようなものがある。

開発計画策定の時間短縮

プロダクト開発において、開発スコープの策定は時間のかかるプロセスのひとつであり、貴重なリソースが無駄になっている。Tara.AIを利用することによって、世界中のオープンソースコードをベースに、ソフトウェアの機能やフレームワークなどのベストプラクティスがレコメンドされ、開発計画策定の時間を短縮することができる。

必要リソースの明確化と確保

開発すべき機能が分かっても、適切なスキルを持った人材を確保することは大きな課題だ。Tara.AIでは、仕様に合わせてエンジニアやデザイナーのプロファイルが自動作成されるため、採用や育成のシーンで活用することができる。加えて、MicrosoftのソフトウェアエンジニアからNASAのセキュリティエンジニアまでの認定済みエンジニアが含まれるネットワークから、最適な人材を発見する。

プロジェクトの推進

開発計画の実行のために、担当者・タスク。スケジュール・予算などを一元管理することができる。これにより、プロジェクトの関係者が雑務に時間を取られることなく、「開発」に集中できるようになる。

Tara.AIの事例

Tara.AIを導入して成果を残した企業として、Ciscoの事例を取り上げる。

当時、CiscoはPHPとTropo APIに精通した開発者を探すことに苦戦しており、採用には平均2週間かかっていた。そこでTara.AIを活用したところ、すぐに必要なスキルセットが明確化され、Tara.AIの独自ネットワークから24時間以内でエンジニアとのマッチングが完了した。

加えて、Tara.AIはプロジェクトの推進にある。開発のスコープが定義され、タスク担当者やスケジュールが明確になったことで、25週間でCiscoのAPI統合プロジェクトを完了した。これは、一般的な開発時間の3分の1程度であったという。

こうしてCiscoはプロジェクトのスコープ定義からリソースの確保・実行まで、Tara.AIによって効率化することができた。

まとめ

ビジネスが成長するためには、いち早くプロダクトや機能を顧客に届けるプロダクトマネジメントがカギとなる。市場の変化に合わせて提供する価値をチューニングすることができなければ、顧客満足度やリテンション率も下がってしまうだろう。

そこで、効率的なプロダクトマネジメントを実現するツールとして「Tara.AI」を紹介した。Tara.AIによって、開発計画の策定や人的リソースの確保・プロジェクトの推進まで、AIを活用して無駄なく進めることができるようになるだろう。

<参考>